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2009年08月21日

遺言できる事項は?

遺言には、遺言者の意思を書くのは自由ですが、遺言書に書いてあることのすべてが、相続人に対する強制力を持つことになるわけではありません。

遺言として強制力がある事項、つまり法律的な効力が生じる事項は、民法、その他の法律で限定されており、これを「法定遺言事項」と言います。現在、法定遺言事項として規定があるのは、おおよそ以下の事項どおりです。

1 相続に関する事項

@推定相続人の廃除とその取消し
A相続分の指定又は指定の委託
B特別受益者の相続分に関する指定
C遺産分割方法の指定又はその委託
D遺産分割の禁止
E共同相続人間の担保責任の定め
F遺贈の減殺方法の指定



2 財産処分に関する事項

@包括遺贈及び特定遺贈
A寄附行為
B信託の設定

3 身分に関する事項

@認知
A未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定

4 遺言執行に関する事項

遺言執行者の指定又はその委託

5 その他

祭祀承継者の指定


■生前行為でも出来る事項

「法定遺言事項」は、裏を返せば遺言書の中で明確に取り決めておく必要のある事項とも言えますが、一部生前に自ら行っておくことができる事項もあります。

 具体的には「法定遺言事項」のうち、
・推定相続人の廃除とその取消し
・認知
・寄附行為
・信託の設定
・特別受益者の相続分に関する指定
・祭祀承継者の指定
については、生前に行っておくことが可能です。


■遺言の対象となる「財産」

相続・遺贈の対象となるのは、被相続人ないし遺言者の財産です。
ここに言う「財産」は、その被相続人ないし遺言者個人の財産です。
会社は、いかなる会社であっても「法人」として個人とは別個の権利主体である以上、個人会社の代表取締役であったとしても会社の財産の処分について、遺言で定めることはできません。
もし記載をしても、その部分については遺言として無効となります。



■遺言書の中の法定遺言事項以外の記載

遺言書に記載された、「生命保険金受取人の変更」を有効なものとして認めた判例があります。
この判例は、そもそも保険金受取人の変更という行為が保険契約者の一方的意思表示によって効力が生じるとされていると言うことから、遺言の効力は遺言者の死亡によって生ずるものの、意思表示自体は生前に行われているのであり、死亡までに受取人変更権が行使されていると解されると判断したものです。

一方、遺言書の中に、例えば「葬儀は簡素に行うこと」「遺体の臓器は医療機関に提供すること」と言うことが記載されていることもありますが、このような記載については、遺言者の意向として明らかでも上記のような事情もないので、原則どおり法的な強制力はないことになります。
法定遺言事項以外の事項の実現を望むのであれば、生前から家族などと良く話し合って理解を得ておくことが大切と言うことになります。
posted by なり at 09:55| Comment(60) | TrackBack(0) | 遺言の基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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