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2008年07月10日

多額の援助をしてある子どもには相続させず、他の子どもに相続させる遺言の作成

今日の遺産相続相談

●相談者

私には長男一郎、二男次郎、長女春子の3人の子どもがいます。妻は既に他界しています。長男には、脱サラして独立開業する際の資金として、私から多額の経済的援助をしており、既に十分な遺産を与えています。そこで、長男には何も相続させず、二男と長女にのみ遺産を相続させたいと思います。

■アドバイス



相続分の指定について


この件では、相続人は子3人ですので、各相続人の法定相続分はそれぞれ3分の1となりますが、それと異なる相続分の指定をすることもできます。この件では、長男一郎の相続分をゼロとし、二男次郎と長女春子の相続分を各50%と定めています。


<遺留分について/dt>

被相続人は、遺留分に関する規定に反することができず、遺言(遺言状)で遺留分を排除することはできません。

遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人に認められ、直系尊属のみが相続人である場合は、被相続人の財産の3分の1、それ以外の場合には、被相続人の財産の2分の1に相当する額が遺留分となり、被相続人が相続開始のときに有した遺産の価額にその贈与した遺産の価額を加えた額から債務の全額を控除して算定されます。

この件の場合、子のみが相続人ですから、被相続人の財産の2分の1に3人の子各人の相続分である3分の1を乗じた6分の1が各相続人の遺留分となります。

遺言(遺言状)の内容が遺留分を侵害する場合、遺留分を侵害された相続人は、当該侵害分の遺産を受領する相続人に対し、遺留分減殺請求を行うことができます。

遺留分は、遺言(遺言状)でも排除することができないため、特定の相続人にのみ、より多くの遺産を相続させる場合には、遺留分を巡る紛争が発生しないよう、他の相続人にも遺留分相当の遺産を相続させるなどの工夫をする必要があります。

今回の相談者は、長男一郎には本来6分の1の遺留分があるべきところ、遺言(遺言状)ではその相続分をゼロと定めているので、このままでは遺留分侵害となる可能性があります。

しかし、今回の件では、長男一郎が特別受益を受けていることから、それを考慮した相続分の決定がなされます。

その結果、相続時の被相続人の遺産の額と贈与の額によっては長男一郎に相続分の受領権がない場合もあり、その場合には長男一郎の遺留分減殺請求に配慮する必要はなくなります。

なお、特別受益を考慮しても遺留分減殺請求の可能性がある場合には、その請求に備え、減殺の対象とすべき遺産を明記しておくことも1つの方法となります。


相続分の指定の理由について


長男一郎の相続分をゼロとすることについて、相続人間で紛争にならないよう、その理由である長男一郎の特別受益の内容について、具体的に付記しておくことも1つの方法になります。





本日の相談者における遺言書のひな形はこちら

posted by なり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供への相続相談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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