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2008年08月14日

共同で遺言をすることはできるか

■遺言の基礎知識


共同で遺言(遺言状)をすることはできるか?

共同遺言の意義

二人以上の者が同一の証書を用いて遺言をすることを共同遺言といいますが、この共同遺言は民法975条によって禁止されています。


共同遺言には次の3種類のものがあるといわれています。


1)2人以上の者が同一の証書を用いつつも、それぞれ関係なく独立し  て遺言をする場合。

  例えば、夫婦が同一の用紙にそれぞれの財産の処分に関し別々に遺  言をする場合です。


2)2人以上の者が同一の証書を用いて相互に遺贈しあうこと等を定め  る場合。

  例えば、夫婦がお互いの死亡を条件に財産を遺贈するという遺言を  する場合です。


3)2人以上の者が同一の証書を用いて相互に相手の遺言条件としてい  る場合。

  例えば、夫の遺言が執行すれば妻の遺言も執行するというように相  手の遺言を条件としている場合です。

共同遺言禁止の理由

遺言は2人以上の者が同一の証書ですることができないとされてます。

したがって、上記1)〜3)の共同遺言が禁止されている理由としては次のものが考えられます。

1)遺言は本来遺言者の自由な意思に基づいてなされるものですが、共  同で行うことを認めると、相互に何らかの影響を受け自由な意思に  基づいて遺言をすることができなくなる危険性がある。



2)遺言者は自由に遺言を撤回することができますが、共同遺言をした  1人が撤回をすることが出来るのか、仮に撤回を認めた場合にどの  ように処理するのかについて問題が生じる。



3)共同遺言者の一方の遺言が方式を満たさないなど無効自由がある場  合に、他方の遺言は有効なのか否かについて問題が生じる。


4)共同の遺言がそれぞれの遺言を条件としている場合に、一方の遺言  者がその条件に反して財産を処分した場合、他方の遺言がどうなる  か問題になる。


共同遺言に当たるか否かが問題となる場合


1 夫婦それぞれが別々の証書に記載した場合

同一の証書で遺言を行うことが共同遺言の要件になりますので、それぞれが別々の証書を用いて作成した場合には、そもそも共同遺言には該当しません。


したがって、この場合はそれぞれの遺言が別々のものとして有効になります。


2 同一の証書に2人の遺言が記載されているが一方に方式違反がある  場合


同一の証書に2人の遺言がなされているが、そのうちの一方に氏名を自書していないという方式違反があった場合でも、禁止された共同遺言に該当するとの判例があります。

つまり、この場合は、方式違反がない他方の遺言についても有効な単独遺言として扱われないということになります。


3 共同遺言の形式があっても、実質的には単独遺言と評価できる場合


一見したところ共同遺言としての形式になっていても、その内容からすると単独の遺言と評価できるので有効であるとする判例があります。

これは、遺言の内容としては1人の財産の処分に関するものであり、その他のもう1人の部分は法律上の意味を持たないことから、実質的には単独遺言と評価することができることを理由としています。


4 別々の用紙に記載された遺言書が1通に綴られている場合


一通の証書に妻及び夫の遺言が記載されている場合であっても、両者が容易に切り離すことができる場合には共同遺言には該当しないとする判例があります。


5 独立した自筆証書遺言が同一の封筒に入れられている場合


この場合は、同一の証書に遺言がなされたわけではありませんから、共同遺言には該当せず有効になります。



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posted by なり at 20:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 遺言の基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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