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2008年08月15日

自筆証書遺言の作成方法と注意事項

■遺言の基礎知識


自筆証書遺言(遺言状)の方式


遺言者の最終意思、真意を尊重し、遺言(遺言状)の偽造、変造を防止するために、民法は自筆証書遺言に厳格な要件を定めています。


自筆証書遺言の要件としては、遺言の全文、日付を自書し署名押印することがあげられます。


自書について

自筆証書遺言においては、遺言者の真意を確保し、偽造、変造を防止するために、すべて自筆で作成するものとされています。


(1)自書とは文字通り自分で書くことを意味しますので、パソコン、   ワープロ、タイプライターによって作成することや、他人に代筆   させることはできません。

   したがって、文字を書くことができない者は自筆証書遺言を作成   することはできません。(公正証書遺言及び秘密証書遺言につい   ては、作成することができます)。

   なお、手ではなく、口や足を用いて記載することも認められると   考えられています。


(2)遺言の内容をテープに録音したり、ビデオで録音したりしても自   筆証書遺言としての要件をみたしませんので、遺言としては無効   です。

   もっとも、遺言者の思いを相続人である家族に伝えるために、テ   ープに録音したりビデオに録画して残したりすること自体は問題   ありません。


(3)カーボン複写を用いた遺言については、カーボン紙を用いること   も自書の方法として許されないものではありませんから、自書の   要件に欠けることはなく有効です。


(4)遺言者が病気等により手が震える場合に、運筆に他人の助けを借   りる程度で、添え手をした他人の意志介入した形式のないことが   筆跡の上で判定できる場合には、自書の要件を満たすと考えられ   ます。


(5)遺言の一部を他人が書いた場合、遺言者の自筆の部分についてま   で無効となるか否かについては、争いがあります。

   遺言者が、第三者が作成した耕地図を利用して遺言を作成した場   合であったとしても、耕地図上に自筆の添書きや指示文言を付記   したりして、自筆書面との一体性を明らかにする方法を講じてい   る場合には自筆としての要件を満たすとする判例もあります。


日付


日付についても遺言者の自書が必要とされています。日付が必要とされる理由は、遺言作成時の遺言者の遺言能力の有無、内容抵触する複数の遺言がある場合に、その先後関係を明らかにして撤回の有無を判断するためです。


日付がない遺言は無効です。なお、日付印を押しただけでは自書の要件を満たさないため無効となります。



自署


遺言書には遺言者が氏名を自署しなければならないとされています。

これは、遺言者の同一性及び遺言が遺言者の意思に基づくものであることを確保するためです。

氏名については、通常は戸籍上の氏名が用いられますが、遺言者の同一性を確認することができれば足りますので、通称、ペンネームを用いても問題ないと考えられています。


氏名また名のみの記載であっても、遺言の他の記載内容から遺言者の同一性が分かる場合には有効と解されています。



押印


押印は、原則として遺言者自身がしなければなりません。これは遺言者の同一性及び遺言が遺言者の意思に基づくものであることを担保するためです。


作成上の留意点


(1)遺言書に用いられる字、用語については特に制限はありません。   かな、漢字、速記文字でもよく、意味内容がしっかりと分かれば   略字を用いることができます。



(2)用紙、用具についても格別制限はありません。

   ただ、保存に耐えるものが望ましいと考えられます。

   筆記用具については、保存及び変造防止を考えると、鉛筆ではな   くボールペン、万年筆等が望ましいと考えられます。

(3)遺言書の様式については特に制限はありません。

   遺言書が数枚に渡るときは、契印するのが望ましいと考えられま   す。


(4)相続ないし遺贈する財産の特定については、既登記の不動産の場   合は登記事項証明書(登記簿謄本)の表示をそのまま記載するの   が望ましいと考えられます。

   その他株券、預貯金についても、明確に特定するように気を付け   るべきです。



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posted by なり at 09:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 遺言の基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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