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2008年08月23日

秘密証書遺言の作成方法と留意事項

■秘密証書遺言の作成方法と留意事項は?


秘密証書遺言の長所


  1. @遺言書の存在については明らかにしながら、遺言の内容を他者に秘密にして保管が出来ること
    A自書能力がなくても作成出来ること


  2. 秘密証書遺言の長所

  3. @遺言書の内容については、公証人が関与しないため疑義が生じる可能性があること
    A遺言書を作成した事実だけが公証人役場に記録されるのみで、遺言書の原本が保管されるわけではないので、遺言書の紛失、隠匿、未発見のおそれがあること



■秘密証書遺言の作成要件

@遺言者が、遺言書に署名押印すること
A遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印す ること

B遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出し、自己の 遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること


C公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載し た後、遺言者及び証人とともにこれに署名押印すること


■秘密証書遺言作成の留意点

(1)秘密証書遺言の場合、遺言者自身の署名押印が必要とされていま   すが、自筆証書遺言とは異なり本文については、自書であること   が要求されていません。

   したがって、代筆、ワープロ、タイプライターによって遺言書を   作成することも出来ます。署名さえ自筆ですることが出来れば、   文字を書くことが出来ない者も作成することが出来ます。

(2)加除、変更については自筆証書遺言に関する民法968条2項が   準用されていますので、遺言書に加除、変更を加えるためには、   遺言者がその場所を指示し、これを変更した旨を付記してその部   分にも署名し、変更があった場所に押印する必要があります。

(3)秘密証書遺言の場合、日付の記載が必要とされていませんが、こ   れは、公証人が封紙に記載する証書を提出した日付が確定日付に   なり、この確定日付を基準日として遺言能力の有無及び内容が、   抵触する複数の遺言書が存在する場合の先後関係を判断すること   になるからです。

(4)証書の封入、封印を第三者が行っても、第三者が遺言者の面前で   証書の封入、封印をしたのであれば許されると解されています。

(5) 証人には、
   @未成年者
   A推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
   B公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
   は、なることが出来ません。

   したがって、事前に証人になる資格を持っている人2名以上に証   人になってもらうように依頼しておく必要があります。証人2名   のうち1名が証人適格を有しない場合は、遺言は無効になりま    す。

   なお、証人適格を有する証人が2名以上立ち会って署名押印して   いるが、その他に欠格者も立ち会って署名押印した場合について   は、遺言は有効であると解されます。

(6)成年被後見人が秘密証書による遺言をする際には、遺言に立ち会   った医師は、遺言者が遺言をするときにおいて精神上の障害によ   り事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を、封紙に記載し   署名押印をしなければなりません。


(7)秘密証書遺言は、ワープロによっても作成することが出来ます    が、遺言者以外の者がワープロを操作して遺言書の表題及び本文   を印字して遺言書を作成した場合は、「筆者」は遺言者ではなくワ   ープロを操作した者になりますので、ワープロを操作した者を遺   言者の筆者としてその氏名及び住所を公証人に対して申述する必   要があります。

   したがって、これに欠く場合には民法970条1項3号所定の方   式を欠き無効になります。

(8)秘密証書遺言の場合、公証役場において遺言書が存在することに   ついて記録されるだけで、公証人は遺言書を保管しません。

   したがって、自筆証書遺言と同様、紛失、変造、未発見の危険が   あることから、遺言書の保管に関し注意を払う必要があります。

   銀行の貸し金庫に保管したり、行政書士に保管を委託する方法も   考えられます。

(9)外国に在住する日本人は、領事館に行けば秘密証書遺言を作成す   ることが出来ます。

   領事が駐在していない外国の場合は出来ません。

(10)秘密証書遺言の場合は、遺言を執行するために家庭裁判所の検認   が必要とされます。

(11)秘密証書遺言としての要件を欠いていても、自筆証書遺言として   の要件を具備していれば、自筆証書遺言として有効になります。


■秘密証書遺言作成に際して必要なもの及び費用

秘密証書遺言を作成する際には、人違いでないことを証明するために遺言者本人の実印及び印鑑証明書が必要となります。公証役場に支払う手数料は、一律1万1,000円とされています




遺言書のやさしい書き方添削教室
posted by なり at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 遺言の基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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