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2008年09月12日

伝染病隔離者の遺言について

■伝染病隔離者遺言の要件

交通を断たれた所に在る者は、交通を断たれてしまっているため遺言の作成に公証人の利用をすることが出来ず、公正証書遺言(民969)や秘密証書遺言(民970)を作成することが出来ません。


これに代わるものとして、伝染病隔離者遺言(民977)が認められています。伝染病隔離者が自筆証書遺言を作成することはもちろん可能です。

1 行政処分によって交通を断たれた場所に在る者であること

条文では「伝染病のため」とありますが、伝染病に限らず、一般社会と自由に交通することが事実上又は法律上遮断されている場所にある場合も含まれると解されています。


2 警察官1人及び証人1人以上の立会いがあること

死亡危急者遺言では証人3人以上の立会いを要します(民976)が、交通を断たれた所に在る者は、証人の確保が困難であるため1人以上とされています。

警察官は、交通が断たれている場所にも出入りが比較的自由であるため立会人とされています。

警察官にいかなる者を含めるかについては争いがあり、通説は、警察官は巡査を含まない警部補以上としていますが、実際上の必要性から巡査を含むとする見解もあります。

また、警察官は正当な理由なくして立会いを拒絶することは出来ません。


3 遺言者が遺言書を作成すること
 

4 遺言関係者全員の署名押印があること

遺言者を含め遺言関係者(証人、立会人、筆者(「筆者」に関しては、遺言の代筆が可能かについてそもそも争いがあります))全員の署名押印が必要な点は、船舶遭難者遺言と異なります。

署名押印が出来ない者がいるときは、その事由を付記しなければなりません。


なお、伝染病隔離者遺言は、他の特別方法の遺言と同様に、遺言者が普通方式によって遺言をすることが出来るようになったときから6ヶ月間生存するときは、その効力が生じません。



posted by なり at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 遺言の基礎知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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