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2008年07月20日

妻に多く相続させ、子どもから遺留分減殺請求があった場合には預貯金から減殺させる遺言作成

今日の遺産相続相談

●相談者

私が死亡した場合の相続人は、妻花子と長男一郎の2人ですが、親不孝者の長男には何も相続させず、世話になった妻に全遺産を相続させたいと思います。ただ、長男が妻に対し遺留分減殺請求を行使する可能性があるので、その場合に備えて、遺言で、預貯金を遺留分にあてるよう指定しておき、妻の自宅の相続に支障を生じないようにしたいと思っています。


■アドバイス



遺産を相続させる旨の記載と遺留分について


被相続人は、遺言(遺言状)で共同相続人の相続分を定めることができ、特定の相続人の相続分を100%と定めることもできます。

今回の相談者における遺言者は、遺言(遺言状)で、妻に全遺産を相続させています。

ただし、このような遺言(遺言状)は、遺留分に関する規定に反することはできず、遺留分の排除することはできません。

遺留分は兄弟姉妹以外の相続人に認められ、直系尊属のみが相続人である場合は、被相続人の財産の3分の1、それ以外の場合には、被相続人の財産の2分の1に相当する額が遺留分となります。

今回の場合、被相続人の財産の2分の1に長男の相続分である2分の1を乗じた4分の1が長男の遺留分となります。

なお、「遺留分に関する規定に反することができない」とされていますが、これは、全財産を妻に相続させるとの遺言(遺言状)の有効性を認めた上で、遺留分減殺請求者の減殺請求に応じる義務があるということと解されています。

このように、遺言(遺言状)をもってしても遺留分を排除することはできないため、特定の相続人にのみ、より多くの遺産を相続させる場合には、遺留分をめぐる紛争が発生しないよう、他の相続人にも遺留分相当の財産を相続させたり、減殺請求に備え、減殺の対象とすべき遺産について言及するなどの工夫をする必要があります。



相続分の指定についての理由について


妻がより多くの遺産を相続することについて、相続人間で紛争にならないよう、理由を付記しておくこともトラブル防止のための1つの方法です。





本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
→ http://www.ne.jp/asahi/yuigon/gyousei/manyual.html



2008年07月19日

子どもには相続させず、夫と妻がお互い相手に相続させる遺言の作成

今日の遺産相続相談

●相談者

私には妻と子(長男及び長女)がいますが、子どもはいずれも独立しており、彼らの生活に不安はありません。そこで、私と妻のいずれかが先に死亡した場合、残った方に全ての遺産を相続させようと思います。


■アドバイス



複数人による遺言(遺言状)の作成の可否について


遺言(遺言状)は、2人以上の者が同一の証書ですることができないと定められています。この規定に違反した遺言(遺言状)は、全部無効になりますので要注意です。

したがって、その内容がほとんど同一であっても、夫と妻はそれぞれ別々に遺言(遺言状)を作成する必要があります。


遺産の特定について


相続人が相続する遺産は、可能な限り特定することが望まれます。

ただし、それ以外の遺産が発見されたときにトラブルになる可能性がありますので、遺言(遺言状)に、「その他一切の財産」と書き加えた方がよいでしょう。

また、相続財産に不動産がある場合は、登記事項証明書(登記簿謄本)上の記載どおりに書くことが重要です。


相続分の指定における遺留分について


相続分の指定は、遺留分に関する規定に違反することはできません。
遺言(遺言状)の内容が遺留分の規定に反する場合でも、遺言(遺言状)が無効になることはありませんが、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりませんので注意が必要です。

今回の相談者のように相続人が妻と子2人の場合の遺留分は、妻が4分の1、子がそれぞれ8分の1となります。

今回の遺言(遺言状)は、遺留分に有する子2名に相続させない内容となっているので、遺留分に関する規定に反するものです。

したがって、子らが遺留分減殺請求をしないように、子らが納得できる理由を掲げた上で、遺留分減殺請求をしないよう求める旨を記載しておいた方が、死亡後のトラブル防止につながることも考えられます。

また、トラブルが予測される場合は、遺留分に相当する遺産だけは相続させる内容としても良いと思います。

ただし、遺言(遺言状)で遺留分減殺請求をしないよう定めたとしても、法的拘束力は生じませんので、注意が必要です。


本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
→ http://www.ne.jp/asahi/yuigon/gyousei/manyual.html







2008年07月18日

妻がアルツハイマー病のため、長男に相続させて、その介護をお願いする遺言の作成

今日の遺産相続相談

●相談者

私には妻と子ども(長男及び長女)がいますが、妻はアルツハイマー病であるため、長男にすべての財産を相続させ、妻の介護をお願いしたいと考えています。


■アドバイス



相続分の意義について


相続分とは、共同相続において各共同相続人が有する相続財産に対する割合のことをいいます。

被相続人が遺言(遺言状)を作成しなかった場合は、遺産は法定相続分の規定に従い配分されます。

今回の相談者のように、妻1人、子2人の場合の法定相続分は、妻が2分の1、子がそれぞれ4分の1となります。



相続分の指定について


被相続人は、遺言(遺言状)で、共同相続人の相続分を定めることができます。

相続分が遺言(遺言状)で指定されたときは、法定相続分の規定は適用されません。

しかし、どのような配分でも法律上問題がないというわけではありません。すなわち、相続分の指定は、遺留分に関する規定に違反することはできませんので気をつけましょう。

ですから、相続人の遺留分を事前に調べておく必要があります。遺言(遺言状)の内容が遺留分の規定に反する場合で、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりません。

なお、仮に、共同相続人中の1人若しくは数人のみの相続分を定めたときは、他の共同相続人の相続分は法定相続分によることになります。例えば、今回の相談者の場合において二男がいた場合は、法定相続分である6分の1となります。





本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
→ http://www.ne.jp/asahi/yuigon/gyousei/manyual.html


2008年07月17日

長男に多く遺産を相続させ、妻と同居をお願いしてもらう遺言作成

今日の遺言相続相談

●相談者

私には妻と子ども(長男及び長女)がいますが、長男に多くの遺産を相続させる代わりに、自分が死んだ後は妻と同居してもらい、生活の面倒をみてもらいたいと思います。


アドバイス



相続分の指定における遺留分について


この遺言(遺言状)のように、法定相続分と異なる相続分を指定する場合、遺留分に関する規定に違反することはできず、遺言(遺言状)の内容が遺留分に反する場合で、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりませんので注意が必要です。

この相談者のように相続人が妻と子2人の場合の遺留分は、妻が4分の1、子がそれぞれ8分の1となります。遺言で他の相続人の遺留分を侵害する場合は、遺留分減殺請求権の放棄を希望するよう明示することを加えても良いと思います。


負担付相続について


特定の相続人に遺産を多く相続させる代わりに何らかの義務を負担させる場合、例えば、長男が遺言者の妻を扶養するのが適当だが、扶養のための財産を所有していない場合は、遺言(遺言状)で定めることが考えられます。つまり、遺産で扶養してもらうわけです。

このように、相続人に負担を課す遺言(遺言状)を、負担付相続をさせる遺言(遺言状)といいます。

なお、負担付相続は、負担付遺贈とは異なりますが、後で述べるように負担付遺贈に関する定めが準用されることがあります。

負担付相続を受けた長男は、負担付相続をさせる遺言による利益を受けるか、放棄するかの選択ができます。

また、長男が相続をしたものの扶養の義務を果たさないという事態もあり得ますが、このような場合、他の相続人は相当の期間を定めて履行を催告することできます。

その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る取消しを家庭裁判所に請求することができるという規定が準用されるというのが通説です。



遺言執行者について


遺言者は、遺言(遺言状)で、1人又は数人の遺言執行者を指定することができます。

遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。

今回の相談者の場合だと、被相続人の死亡後に介護がきちんと行われることを担保するため、遺言執行者による監督を定めることも必要だと思います。


扶養義務について


相続後、長男が扶養義務を果たしたかどうかが争いになることがあります。そこで、扶養の内容は可能な限り特定すべきだと思います。

また、最低限、遺言(遺言状)で具体的に書くべきだと考えます。

なお、負担付遺贈においては、受遺者が遺贈の目的額を超えない限度においてのみ負担した義務を履行する責任を負うという規定があり、これは負担付相続に準用されると考えられています。

ですから、遺言(遺言状)を作成する際には、遺産の価値をしっかりと把握し、遺産に比して過重は負担をさせないようにしましょう。





本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
→ http://www.ne.jp/asahi/yuigon/gyousei/manyual.html









2008年07月16日

妻と同居している二男に多く相続させる遺言の作成

今日の遺言相続相談

●相談者

私には妻と子ども(長男及び二男)がいますが、長男はここ数十年まったく連絡がとれず、二男の家族と長年同居してきたので、不動産と預貯金の大部分を二男に相続させたいと考えています。


■アドバイス



相続分の指定における遺留分について


被相続人は、遺言(遺言状)で、共同相続人の相続分を定めることができます。

ただし、この指定は、遺留分に関する規定に違反することはできませんので、相続人の遺留分を事前に調べておく必要があります。

遺言(遺言状)の内容が遺留分の規定に反する場合で、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりません。

今回の相談者のように相続人が妻と子2人の場合の遺留分は、妻が4分の1、子がそれぞれ8分の1となりますので、今回の遺言(遺言状)は、長男の遺留分を侵害する内容となっています。


遺留分を侵害する遺言(遺言状)について


 しかし、上記のように遺留分の規定に反する内容の遺言(遺言状)も有効です。
長男と連絡が取れないのであれば、遺留分減殺請求されることを覚悟で遺言(遺言状)を作成することも1つの方法です。

また、遺言者がなるべくこのような事態を望まない場合は、遺言(遺言状)の中に、一部の子に相続させないことについて説得力ある理由を付し、遺留分減殺請求をしないように求める付言を残しておくこともできます。

しかしながら、このような理由に法的な拘束力はありませんので、遺留分減殺請求を禁じることはできません。


失踪宣告について


なお、長男の不在が7年間以上に上るときには、遺言(遺言状)作成とは別に、裁判所に対し、長男の失踪宣告を申し立てることもできます。

失踪の宣告がなされれば、長男の不在から7年間の期間が満了した時に死亡したものとみなされます。

ただし、長男に子どもがいたときは、その子が法定相続人となるので、ご注意が必要です。




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2008年07月15日

妻に遺産の全てを相続させ、子どもには相続させない遺言作成

本日の遺産相続相談

●相談者

私には妻と子ども(長男及び長女)がいます。子どもらはいずれも独立し生活の心配がないため、自分が死んだ後、一人暮らしになる妻に全財産を相続させたいと思います。


■アドバイス


相続分について

相続分とは、共同相続において各共同相続人が有する遺産に対する割合のことをいいます。

被相続人が遺言(遺言状)を作成しなかった場合、遺産は法律による相続分の規定に従い配分されます。今回の相談者のように、妻1人、子2人の場合の法定相続分は、妻が2分の1、子がそれぞれ4分の1となりますので常に頭にいれときましょう。

相続分の指定について


被相続人は、遺言(遺言状)で、共同相続人の相続分を定めることができます。相続分が指定されたときは、法律で定められた相続分の規定は適用されなくなります。


遺留分について

相続分の指定は、どのような配分でも法律上全く問題がないわけではなく、遺留分に関する規定に違反することはできません。

そのため、相続人の遺留分を事前に調べておく必要があります。

遺言(遺言状)の内容が遺留分の規定に反する場合でも、遺言(遺言状)が無効になることはありませんが、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりませんので注意が必要です。

今回の相談者のように相続人が妻と子2人の場合の遺留分は、妻が4分の1、子がそれぞれ8分の1となります。

遺言(遺言状)で遺留分を有する子2名に一切の遺産を相続させないと記載すると遺留分の規定に反しまので注意が必要です。

ですので、トラブルが予測される場合は、遺留分に相当する遺産だけは相続させる内容としたほうが得策といえるでしょう。

しかし、遺言(遺言状)で遺留分減殺請求をしないよう記載したとしても、法的拘束力は生じませんので、要注意です。


遺産の特定について

遺産を相続させる相続人が1人の場合は、相続財産を特定せずに、包括的に「全ての財産を相続させる」とだけ表示しても特に問題はないでしょう。

できれば、相続人が相続する財産を可能な限り特定する方が確実です。

また、遺言(遺言状)記載された以外の財産が発見された場合、誰が相続するかで他の相続人とトラブルになる可能性がありますので、遺言書には「その他一切の財産」と書き加えた方がトラブルを避ける上で効果的です。

また、遺産に不動産がある場合、登記事項証明書(登記簿謄本)上の記載どおりに特定して書くようにしましょう。

遺言執行者について


遺言者は、遺言(遺言状)で、1人又は数人の遺言執行者を指定することができます。
遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。

この相談者の場合は事案が単純ですが、登記名義・預金名義の変更等、相続後の手続を速やかにするために、あらかじめ遺言(遺言状)で選任しておくことも考えられます。



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2008年07月14日

妻及び子どもへの遺産を指定する遺言の作成

本日の遺産相続相談

●相談者 

私には妻と子ども(長男及び長女)がいますが、私が死んだ場合には、妻に法定相続分より多くの遺産を与えて、その分長女の遺産を減らしたいと思います。


■アドバイス


遺産の相続分について

相続分とは、共同相続において各共同相続人が有する相続財産に対する割合のことをいいます。

被相続人が遺言(遺言状)を作成しなかった場合は、遺産は法定相続分の規定(民900・901)に従い配分されます。

この相談者のように、妻1人、子2人の場合の法定相続分は、妻が2分の1、子がそれぞれ4分の1となります。

遺産の相続分の指定について

相続人は、遺言(遺言状)で、共同相続人の相続分を定めることができます。

相続分が遺言(遺言状)で指定されたときは、法定相続分の規定は適用されません。

しかし、どのような配分でも法律上問題がないというわけではありません。

すなわち、相続分の指定は、遺留分に関する規定に違反することはできません。

相続人の遺留分を事前に調べておく必要があります。遺言(遺言状)の内容が遺留分の規定に反する場合で、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりません。

なのでこの相談者のように相続人が妻と子2人の場合の遺留分は、妻が4分の1、子がそれぞれ8分の1となりますので、遺留分の規定に反しないよう遺言書(遺言状)を書かなければいけませんので注意しましょう。

なお、仮に、共同相続人中の1人若しくは数人のみの相続分を定めたときは、他の共同相続人の相続分は法定相続分によることになります。

例えば、この事例において二男がいた場合は、法定相続分である6分の1となります。


今日の相談者における遺言書のひな形はこちら
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2008年07月12日

妻が先に死亡したときは、自宅を長男に相続させる遺言作成

今日の遺産相続相談

●相談者

自宅は妻に相続させたいと思いますが、妻が私より先に死亡した場合は、長男に相続させたいと思います。


■アドバイス



相続人の予備的な指定について


遺言(遺言状)に特定の相続人に相続させる旨の記載がある場合、その相続人が遺言者より先に死亡したときは、その相続人に関する遺言(遺言状)部分は失効します。

この場合、いったん相続分に従い相続し、遺産分割協議で遺産の帰属を決定することとなりますが、この遺産分割協議で生じる紛争を避けたい場合には、遺言(遺言状)で、予備的に次の相続人を指定しておくことができます。

また、予備的に次の相続人を指定した場合でも、遺産の相続人に指定した者が遺言者より先になくなった場合には、その時点でいったん作成した遺言(遺言状)をもう一度見直して、改めて作成し直すのも1つの方法と言えます。

同時死について


遺言者が指定した相続人と、交通事故などで同時に死亡する場合もあり得ます。その場合に備え、「万一、遺言者より前に又は同時に〇〇が死亡したときは、・・・」と記載しておく方法もあります。




本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
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