最近の記事

2008年07月23日

遺言書を破り捨てた子どもを許し、その子に相続させる遺言の作成

今日の遺産相続相談

●相談者


私の長女は、以前私が作成した遺言を破り捨てたため、欠格事由に該当し、相続人の地位を失いました。しかしその後、長女が十分反省したため欠格を許そうと思います。


■アドバイス



遺言による欠格につて


以下の者は、欠格該当者として相続人となることはできません。


  •  故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

  •  被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者(ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは例外とする)

  •  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をし、撤回し、取消し、又は変更することを妨げた者

  •  詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

  • 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者



今回の相談者は、長女が遺言(遺言状)を破棄したということですから、民法891条5号の欠格事由に該当します。

民法は推定相続人の廃除の取消しを明文上定めていますが、欠格の宥恕(ゆうじょ)については何も規定していません。

しかし、被相続人の意思に反してまで同人の財産処分の自由を制限する理由は乏しいことから、欠格の宥恕(ゆうじょ)は認められると解されています。

欠格の宥恕(ゆうじょ)があれば、相続開始の時に欠格者でなかったものとして取り扱われることになります。


遺言執行者の指定について


相続人間でトラブルが生じる可能性がある、又は相続財産が複雑で多額に及ぶときには、法律の専門家である弁護士や行政書士等に遺言執行者となってもらうことが望まれます。

遺言執行者に対する報酬は、家庭裁判所が相続財産の状況その他の事情によって定めることになります。

もっとも、遺言者が遺言に報酬額を定めた場合には、その報酬額に従うこととなります。



本日の相談者における遺言書のひな形はこちら


posted by なり at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供への相続相談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月21日

障害のある子どもに多くの遺産を相続させる遺言の作成

今日の遺産相続相談

●相談者

私には長女春子、長男一郎、二女夏子の3人の子どもがいます。夫は既に亡くしています。長男一郎、二女夏子はそれぞれ独立し、生活していますが、長女春子には障害があり、将来が心配です。そこで、長女春子には、他の2人の子供より多くの遺産を相続させたいと思います。


■アドバイス



相続分の指定について


今回の相談者は、相続人は子3人のみですので、各相続人の法定相続分によるとそれぞれ3分の1となりますが、それと異なる相続分の指定をすることもできます。

この件では、障害のある長女春子の相続分を他の2人の子の相続分より多く定めることになります。


相続分の指定についての理由について


長女がより多くの遺産を相続することについて、相続人間で紛争にならないよう理由を付記しておくことも後々のトブルを防止するための1つの方法です。


遺留分への配慮について


被相続人は、遺留分に関する規定に反することができず、遺言(遺言状)で遺留分を排除することはできません。

遺留分は、兄弟姉妹以外の相続人に認められ、直系尊属のみが相続人である場合は、被相続人の財産の3分の1、それ以外の場合には、被相続人の遺産の2分の1に相当する額が遺留分となります。

今回の相談者の場合、子のみが相続人ですから、被相続人の遺産の2分の1に3人の子各人の相続分である3分の1を乗じた6分の1が各相続人の遺留分となります。

遺言(遺言状)の内容が遺留分を侵害する場合、遺留分を侵害された相続人は、当該侵害分の財産を受領する相続人に対し、遺留分減殺請求を行うことができます。

なお、「遺留分に関する規定に反することができない」とされていますが、これは、遺留分に抵触する内容の遺言(遺言状)も有効とした上で、遺留分減殺請求者の減殺請求に応じる義務があるということと解されています。

ですから、特定の相続人にのみ、より多くの財産を相続させる場合には、遺留分を巡る紛争が発生しないよう、他の相続人にも遺留分相当の遺産を相続させる等の工夫をすることも考えられます。

この例では、長男一郎、二女夏子の遺留分に配慮し、その相続分を6分の1と定めています。

これに対し、他の相続人の遺留分に抵触する割合での相続分の指定を行う場合は、遺留分減殺請求がなされた場合にどの財産で減殺を行うかを遺言(遺言状)で明記し、遺留分を巡る紛争を回避することも1つの方法です。




本日の相談者における遺言書のひな形はこちら



posted by なり at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 子供への相続相談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月20日

妻に多く相続させ、子どもから遺留分減殺請求があった場合には預貯金から減殺させる遺言作成

今日の遺産相続相談

●相談者

私が死亡した場合の相続人は、妻花子と長男一郎の2人ですが、親不孝者の長男には何も相続させず、世話になった妻に全遺産を相続させたいと思います。ただ、長男が妻に対し遺留分減殺請求を行使する可能性があるので、その場合に備えて、遺言で、預貯金を遺留分にあてるよう指定しておき、妻の自宅の相続に支障を生じないようにしたいと思っています。


■アドバイス



遺産を相続させる旨の記載と遺留分について


被相続人は、遺言(遺言状)で共同相続人の相続分を定めることができ、特定の相続人の相続分を100%と定めることもできます。

今回の相談者における遺言者は、遺言(遺言状)で、妻に全遺産を相続させています。

ただし、このような遺言(遺言状)は、遺留分に関する規定に反することはできず、遺留分の排除することはできません。

遺留分は兄弟姉妹以外の相続人に認められ、直系尊属のみが相続人である場合は、被相続人の財産の3分の1、それ以外の場合には、被相続人の財産の2分の1に相当する額が遺留分となります。

今回の場合、被相続人の財産の2分の1に長男の相続分である2分の1を乗じた4分の1が長男の遺留分となります。

なお、「遺留分に関する規定に反することができない」とされていますが、これは、全財産を妻に相続させるとの遺言(遺言状)の有効性を認めた上で、遺留分減殺請求者の減殺請求に応じる義務があるということと解されています。

このように、遺言(遺言状)をもってしても遺留分を排除することはできないため、特定の相続人にのみ、より多くの遺産を相続させる場合には、遺留分をめぐる紛争が発生しないよう、他の相続人にも遺留分相当の財産を相続させたり、減殺請求に備え、減殺の対象とすべき遺産について言及するなどの工夫をする必要があります。



相続分の指定についての理由について


妻がより多くの遺産を相続することについて、相続人間で紛争にならないよう、理由を付記しておくこともトラブル防止のための1つの方法です。





本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
→ http://www.ne.jp/asahi/yuigon/gyousei/manyual.html



2008年07月19日

子どもには相続させず、夫と妻がお互い相手に相続させる遺言の作成

今日の遺産相続相談

●相談者

私には妻と子(長男及び長女)がいますが、子どもはいずれも独立しており、彼らの生活に不安はありません。そこで、私と妻のいずれかが先に死亡した場合、残った方に全ての遺産を相続させようと思います。


■アドバイス



複数人による遺言(遺言状)の作成の可否について


遺言(遺言状)は、2人以上の者が同一の証書ですることができないと定められています。この規定に違反した遺言(遺言状)は、全部無効になりますので要注意です。

したがって、その内容がほとんど同一であっても、夫と妻はそれぞれ別々に遺言(遺言状)を作成する必要があります。


遺産の特定について


相続人が相続する遺産は、可能な限り特定することが望まれます。

ただし、それ以外の遺産が発見されたときにトラブルになる可能性がありますので、遺言(遺言状)に、「その他一切の財産」と書き加えた方がよいでしょう。

また、相続財産に不動産がある場合は、登記事項証明書(登記簿謄本)上の記載どおりに書くことが重要です。


相続分の指定における遺留分について


相続分の指定は、遺留分に関する規定に違反することはできません。
遺言(遺言状)の内容が遺留分の規定に反する場合でも、遺言(遺言状)が無効になることはありませんが、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりませんので注意が必要です。

今回の相談者のように相続人が妻と子2人の場合の遺留分は、妻が4分の1、子がそれぞれ8分の1となります。

今回の遺言(遺言状)は、遺留分に有する子2名に相続させない内容となっているので、遺留分に関する規定に反するものです。

したがって、子らが遺留分減殺請求をしないように、子らが納得できる理由を掲げた上で、遺留分減殺請求をしないよう求める旨を記載しておいた方が、死亡後のトラブル防止につながることも考えられます。

また、トラブルが予測される場合は、遺留分に相当する遺産だけは相続させる内容としても良いと思います。

ただし、遺言(遺言状)で遺留分減殺請求をしないよう定めたとしても、法的拘束力は生じませんので、注意が必要です。


本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
→ http://www.ne.jp/asahi/yuigon/gyousei/manyual.html







2008年07月18日

妻がアルツハイマー病のため、長男に相続させて、その介護をお願いする遺言の作成

今日の遺産相続相談

●相談者

私には妻と子ども(長男及び長女)がいますが、妻はアルツハイマー病であるため、長男にすべての財産を相続させ、妻の介護をお願いしたいと考えています。


■アドバイス



相続分の意義について


相続分とは、共同相続において各共同相続人が有する相続財産に対する割合のことをいいます。

被相続人が遺言(遺言状)を作成しなかった場合は、遺産は法定相続分の規定に従い配分されます。

今回の相談者のように、妻1人、子2人の場合の法定相続分は、妻が2分の1、子がそれぞれ4分の1となります。



相続分の指定について


被相続人は、遺言(遺言状)で、共同相続人の相続分を定めることができます。

相続分が遺言(遺言状)で指定されたときは、法定相続分の規定は適用されません。

しかし、どのような配分でも法律上問題がないというわけではありません。すなわち、相続分の指定は、遺留分に関する規定に違反することはできませんので気をつけましょう。

ですから、相続人の遺留分を事前に調べておく必要があります。遺言(遺言状)の内容が遺留分の規定に反する場合で、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりません。

なお、仮に、共同相続人中の1人若しくは数人のみの相続分を定めたときは、他の共同相続人の相続分は法定相続分によることになります。例えば、今回の相談者の場合において二男がいた場合は、法定相続分である6分の1となります。





本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
→ http://www.ne.jp/asahi/yuigon/gyousei/manyual.html


2008年07月17日

長男に多く遺産を相続させ、妻と同居をお願いしてもらう遺言作成

今日の遺言相続相談

●相談者

私には妻と子ども(長男及び長女)がいますが、長男に多くの遺産を相続させる代わりに、自分が死んだ後は妻と同居してもらい、生活の面倒をみてもらいたいと思います。


アドバイス



相続分の指定における遺留分について


この遺言(遺言状)のように、法定相続分と異なる相続分を指定する場合、遺留分に関する規定に違反することはできず、遺言(遺言状)の内容が遺留分に反する場合で、遺留分権利者から減殺請求された場合はこれに応じなければなりませんので注意が必要です。

この相談者のように相続人が妻と子2人の場合の遺留分は、妻が4分の1、子がそれぞれ8分の1となります。遺言で他の相続人の遺留分を侵害する場合は、遺留分減殺請求権の放棄を希望するよう明示することを加えても良いと思います。


負担付相続について


特定の相続人に遺産を多く相続させる代わりに何らかの義務を負担させる場合、例えば、長男が遺言者の妻を扶養するのが適当だが、扶養のための財産を所有していない場合は、遺言(遺言状)で定めることが考えられます。つまり、遺産で扶養してもらうわけです。

このように、相続人に負担を課す遺言(遺言状)を、負担付相続をさせる遺言(遺言状)といいます。

なお、負担付相続は、負担付遺贈とは異なりますが、後で述べるように負担付遺贈に関する定めが準用されることがあります。

負担付相続を受けた長男は、負担付相続をさせる遺言による利益を受けるか、放棄するかの選択ができます。

また、長男が相続をしたものの扶養の義務を果たさないという事態もあり得ますが、このような場合、他の相続人は相当の期間を定めて履行を催告することできます。

その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る取消しを家庭裁判所に請求することができるという規定が準用されるというのが通説です。



遺言執行者について


遺言者は、遺言(遺言状)で、1人又は数人の遺言執行者を指定することができます。

遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有します。

今回の相談者の場合だと、被相続人の死亡後に介護がきちんと行われることを担保するため、遺言執行者による監督を定めることも必要だと思います。


扶養義務について


相続後、長男が扶養義務を果たしたかどうかが争いになることがあります。そこで、扶養の内容は可能な限り特定すべきだと思います。

また、最低限、遺言(遺言状)で具体的に書くべきだと考えます。

なお、負担付遺贈においては、受遺者が遺贈の目的額を超えない限度においてのみ負担した義務を履行する責任を負うという規定があり、これは負担付相続に準用されると考えられています。

ですから、遺言(遺言状)を作成する際には、遺産の価値をしっかりと把握し、遺産に比して過重は負担をさせないようにしましょう。





本日の相談者における遺言書のひな形はこちら
→ http://www.ne.jp/asahi/yuigon/gyousei/manyual.html









広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。